病院はどのようにして収入を得ているのか。

 

厚生労働省によって診療報酬の額が決められています。これが診療報酬点数表です。

Aという病気のBという手術はC点など細かく規定されていてこれが記載されている本はとても分厚いものです。文字通り点数で表示されるため(1点10円)病院経営は「点取りゲームだ」という人もいます。少し専門的な話になりますが、診療報酬点数表の中身を大きく分けると、内科や外科などの医療に関する医療点数表、歯科=歯科点数表、調剤点数表の3つです。

 
 その他に、保険医薬品に関する薬価基準、保険医療材料に関する材料価格基準があります。この5つと医療技術などに対する保険による公定価格が使用した薬や医療材料に対する保険による償還価格となります。

 
 医科点数表は、基本診療料と、特掲診療料の2層構造となっています。
 診療報酬は出来高はライを原則としていて、①基本診療料にオプション部分の②特掲診療料を加算するかたちで構成されます。

①基本診療料
 入院であれば外来分と入院分に分けられ基本的にそれぞれ一日に一回算定。 
 初診料は270点が基本で6歳未満の場合はそこに75点が加わる。
 また休日・夜間加算でさらに点数が加わる。

➁特掲診療料
オプション部分です。基本診療料にこの特掲診療料が加算されて患者さんが窓口で支払う自己負担分がこの医療費をもとに1~3割の間で支払うことになる。
 特掲診療料は薬の説明、病気に関する生活指導を点数化した医学管理等をはじめ
検査・手術・病理診断など細かく分かれている。同時に複数の検査をすれば併せて診断できる。診療報酬は患者7:看護師1の割合で分かれている。
 2年に一度の診療報酬改定⇒国の医療政策の方向性と合致した項目が新設、もしくは点数の引き上げ、引き下げが行われ、医療機関に対してインセンティブ=経済誘導がなされる。
 

 例えば20年前は平均在院日数は40日であったものが、今では19日に減っている。このことは急性期病院と慢性期病院に機能分化し、かつ急性期病院が平均在院日数を減らせば収入があがるように「経済誘導」した結果です。